古代信仰への誘い*Vol.6 吉備津神社の鳴釜神事・・☆
〜荘厳な長い回廊を持つ吉備津神社〜
岡山県の中で一番、メジャー所の一宮は
『吉備津神社』かもしれません。
主祭神の『大吉備津彦命』は桃太郎の原型と言われていますし、
吉備津造り呼ばれる独特な建築方式の社殿は、
歴史の古さと格式の高さを感じます。
北随神門を抜けるとまっすぐに伸びる急な階段があり、
神門を抜けると
どーーーんっと構えた拝殿が出迎えてくれます。
いつ見ても非常に武将的な(お城っぽい)雰囲気を
醸し出している拝殿ですが、
この抜け感は凄く素敵♡
真正面から本殿を望むとこんな感じです。
結構、天井が高いんですよね!
此処、『吉備津神社』は関西に戻ってから
何度か足を運んでいます。
以前にもブログに書いた事がありますが、
この神社の存在を知ったのが
江戸時代の後期に書かれた読本、
『雨月物語』の第一話に登場する
『吉備津の鳴釜』
と言うお話でした。
この『雨月物語』、
基本は怪異小説で9話から成り立っています。
(やっぱり『9』って所が数秘的にしっくりくる・笑)
どの物語も人情味があって
今読んでも大変楽しめる読本!
その中でも第一話の
『吉備津の鳴釜』は特に面白いお話です。
実は10年以上前、
初めて『吉備津神社』へ訪れた時、
社務所に書かれている『鳴釜神事』の文字に
(あの雨月物語の???)
っと巫女さんにお聞きすると
今でもずっと『鳴釜神事』を執り行っている旨を
お聞きしてビックリしました。
(あのお話は単なる寓話ではなく、
存在する神事が元で書かれているんだ・・)
っと思い、思わず
『受けてみたいのですが、どうすれば??』
と鼻息荒くお聞きすると、
金曜日以外、14時までに受付をしてください!
との事。
その時はとっくに14時を過ぎていたので
受ける事は出来ませんでした。
もっと言うと『雨月物語』が懐かしくなって
家に戻った後、読み返した程です・笑。
さて『鳴釜神事』とはなんぞや?
と思われる方もいらっしゃると思いますので
神社のHPに記載されている部分を抜粋しますね。
(神官と阿曽女と二人にて奉仕しています。
阿曽女が釜に水をはり湯を沸かし釜の上にはセイロがのせてあり、
常にそのセイロからは湯気があがって います。
神事の奉仕になると祈願した神札を竈の前に祀り、
阿曽女は神官と竈を挟んで向かい合って座り、
神官が祝詞を奏上するころ、
セイロの中で器にいれた 玄米を振ります。
そうすると鬼の唸るような音が鳴り響き、
祝詞奏上し終わるころには音が止みます。
この釜からでる音の大小長短により吉凶禍福を判断しますが、
そのお答えについては奉仕した神官も阿曽女も何も言いません。
ご自分の心でその音を感じ判断していただきます。)
そして鳴釜神事を受ける前にご祈祷を受けます。
よーするに、14時までにご祈祷を受けられた方は
『鳴釜神事』も受けられると言う事です。
でも、阿曽女さんにお聞きすると
ほとんどの方はご祈祷だけ受けて鳴釜は
受けられないそーで・・。
emyの場合は逆で鳴釜を受けたいので
ご祈祷を受けるんですけれど・笑。
ご祈祷を受けた後、長い回廊を歩いて行くと
途中に『御竈殿』があります。
神聖な神事なのでとーぜん、御竈殿の様子も
撮影禁止。
これは内部の様子が写されているポスターですが、
神殿の中は煤(すす)で真っ黒。
燻されている玄米の香りが漂っています。
今回はどうやら最初の回だったようで
阿曽女さんが竃に火をおこす所から始まりました。
パチパチっと音を聞きながら
宮司さんがいらっしゃるのを待っています。
けっこーこの間、緊張しますね。
吉凶を占うものなので鳴らなかったどーしよ・・とか。
釜を温めている間、阿曽女さんが
色々とお話をしてくれました。
『この神事は本当に摩訶不思議で
数名いらっしゃっても聞こえる方もいれば、
聞こえない方もいらっしゃる見たいです。
そして聞こえてもその音色が違っているみたいですね・・』
ほほ〜・・
さて今回は3人で受けたのですが、
どのように聞こえるのか?
すると宮司さんがいらっしゃって、
祝詞をあげ、各自ご祈祷の時に書いた
『願い事』を読み上げて行くと・・・
今回はすごかった!!!
ボン!
と凄い音が地鳴りのように聞こえて来たかと
思うと、
ぶあ〜〜ん
と綺麗な音色がずっと続いていて・・
あまりの綺麗な音に思わずうっとり。
すると摩訶不思議、
宮司さんが読み終えるや否や、
その釜の音がピタッと止まるですよね。
なんで??なんで???
ほんと、一同、狐に包まれたような顔に
なってしまいます。
鳴って良かった安堵感と
あまりにも神聖なものに包まれたような感覚に
思わず涙がこぼれてしまいました。
この神事は、現代の感覚では味わえない
独特の雰囲気を体験する事が出来ます。
ご興味のある方は
是非、一度、体感して見てください♫
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