『蛭子(ひるこ)』と『事代主』Vol.2 流される事の意味☆


〜蛭子(ひるこ)系えびすの総本宮・西宮神社〜



蛭子(ひるこ)伝説は日本のあちらこちらに存在しますけれど、

今回は神話に近い蛭子(ひるこ)伝説を書きます。


手も足も無い世にも奇妙な神様を最初に産んだイザナミは

葦の舟に蛭子を乗せ、おのころ島から海に流してしまいます。


そして辿り着いたのが現在の西宮。

この伝説からでしょうか、西宮のお隣は芦屋になります。


日本書紀では『葦』ではなく次の次元へジャンプする意味のある

『アメノイワクスフネ』に乗せられて流された説もあり

ちなみにアメノイワクスフネは其の名の如く『楠製』。

どちらにしろ神様に近い神聖な植物です。


私たちは昔から海や川へ


『流す』


と言う神事を執り行って来ました。


『御霊』を鎮める、常世へ移す・・


『流す』事はとても神聖な行為です。


葦の舟に流された蛭子は、常世の国からやって来た

来訪神として形がどうであれ、


海からやって来た幸運の使者として

西宮神社の主祭神として祀られるようになりました。


ある諸説では、

あまりにも不遇な神に情けを持って

地元民が熱心に祀った所、

漁師たちへ大漁の恵みを与えたので

『豊穣の神』として崇められてる・・とされています。



〜西宮神社に奉納されている大漁旗!〜


それから時代が進んで行くと仏教到来から

『七福神伝説』が広がり始め、


海の神である『恵比須(えびす)』

海から流れついた『蛭子(ひるこ)』が同一化され


えべっさんが誕生します。


そして1月に開催される

商売繁盛の祭事が、


『十日戎(とうかえびす)』!


色んな諸説があるのですが、

恵比寿さまのお誕生日は

1月10日だったので

そのお祝いから発生された・・

と言う一説があります。



〜笹の葉にどれだけの縁起物を付けられるかがポイント!笑〜



そしてこの神事に似ているのが

関東の『酉の市』です。


なんだか内容的に商売繁盛祈願や

熊手が売られているので

同じ『えべっさん』のお祭りだと思ってしまいますよね?


でも実は始まりや意味が異なるんですよね・笑。


関東の『酉の市』の主祭神は

『日本武尊(やまとたけるのみこと)』

11月の初旬に開催されます。


でも内容的には『熊手』などの縁起物が

売られ、商売繁盛をお願いするんですけれどね・笑。


何故、日本武尊(やまとたけるのみこと)が酉の市と

関係しているのか?


それは古事記の神話に基づいています。


日本武尊(やまとたけるのみこと)は亡くなった後、

白鳥になって大和に向かって飛びだったと言われています。


また関東地方を制覇した伝説がありますので

関東では日本武尊が盛んに祀られているのです。


『日本武尊(やまとたけるのみこと)=白鳥』


から『酉』と結ばれ、

関東の『酉の市』の主役は

日本武尊(やまとたけるのみこと)なんですよね・笑。


そして11月に開催される理由は

日本武尊が東夷征討の際、お礼参りをした日が

11月の酉の日だった事から

それを祝して『酉の市』の日になったようです。


でも、参拝にいらっしゃる方々のほとんどは

どの神様が祀られているのか??


なんて言う意識よりも


『商売繁盛!』


と福を呼びたい気持ちでいっぱいです・笑。


ちなみに『十日戎』『蛭子えびす』をお祀りしている

神社で開催されますが、

もう一柱の『事代主えびす』では開催されません。


その理由を島根県・美保神社の宮司さんに

お聞きした事がありました。


明日は『事代主命』のお話へと移ります♫



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