倭(やまと)は国のまほろば Vol.9 涙の味・・☆


〜阿蘇神社の楼門(2014年3月撮影)〜


台風が無事過ぎた後でもまだスッキリした天気では無く、

午前中はまだ雨がぱらついていた。


熊本市内から阿蘇神社まで通常なら車で1時間30分くらいで行ける距離だが、

地震の影響で迂回を余儀なくされていた。


朝になって市内を走っていると、更に地震の爪痕が目に入る。

そして至る所に


『がんばるばい!熊本』


と書かれた看板を多く見かけた。

その言葉の力強さが心の中にしみ込む。


阪神淡路大震災の後、何度と日本は大きな地震に見舞われた事か・・

自然災害と共に歩む日本は常に励ましの言葉を発信し続けている。

言葉は大事。

特に『文字』を元々持っていなかった日本人は

『言霊』の力を古代からずっと信じている。

そしてその力は人を動かす強力なエネルギーを持っている事も解っている。


山中を走るので念のため、ガソリンを満タンにしようと

ガソリンスタンドに寄った。


『京都』ナンバーで走っていると


『え!京都から来たんですか??』


と良く驚かれた・笑。


『今からどちらへ向かわれるんですか?』

と聞かれたので阿蘇神社へ修繕復興金を直接渡しに行く旨を話すと、


『それは、ご苦労様です!ありがとうございます!』


とまるで自分の事のように喜んでくれていた。

痛み分けの精神は思いやりの心を育んでくれる。

そして迂回道路の行き方を丁寧に教えてくれた。


一応、出発する前に、迂回順路を把握しておこうと

調べていたけれど、地元の方に教えてもらう情報はより心強かった。


言われた通りに向かうと、復興工事の為のトラックや乗用車で

大渋滞だった。

20分経っても全く動かないのでこのままだとらちがあかない。

阿蘇神社の後、高千穂まで行く予定なので、

時間のロスは許されなかった。


慌てて更に遠回りでも一か八かで別の道を走ってみた。

すると当初の到着時刻より1時間だけのロスで済んだ。


目の前に『阿蘇神社→』の文字が飛び込んで来る。

周りの田園風景も記憶にあった。

黄金に輝く稲穂が収穫の時を迎えている感じだった。



駐車場に車を止めると目の前に全壊した楼門が目に飛び込んだ。

ニュースの映像で見ていたより、

実際にその凄惨な状況を目の当たりにすると

あまりのショックで立ち止まってしまった。

そしてどっと涙が溢れて来た・・。


何故、涙が出るんだろう?


ショックだから?悲しいから?

最初は理由が解らなかった。


そして社務所に行って宮司さんから被害の状況や

今後の修繕計画について話を聞いて


イベントに来てくださったお客様からと個人で包んだ

義援金を宮司さんに渡した。


『11月から完全に取り壊し、なるべく廃材を再利用する形で

作り変えます。』


と教えてくれた。


『あの、楼門の後ろにあった龍頭の額は・・』


と尋ねてみると、


『実はそのままなんですよ。』


と宮司さんは答えた。


〜楼門の後ろにあった『龍頭の額(魔除けの龍)』(2014年3月撮影)〜


あの力強い龍の剣は一身にこの地震を受け止めたのだろうと思った。

するとまだほろほろと涙が出て来た。

そしてその涙が口の中に入ると水のようにサラっとしていて

苦くもしょっぱくも無かった。


人は喜怒哀楽に合わせて一緒に涙が出る時がある。

ある一説によると、その感情によって『涙の味』は変わるらしい。

たかが『涙』と思っていても、

状態によって分泌される成分が違うそうだ。


悲しい時や嬉しい時に流れる涙はサラっとしていて甘めで

怒りや悔し涙の味はしょっぱい。

逆に言うと涙の成分で自分の心の状態が解るのかもしれない。


するとこの涙は・・?


きっと『浄化の涙』が溢れて来たのだと思った。

全壊した楼門の下に眠る魔除けの龍は、

まだまだ浄化のエネルギーを発しているのだと思った。


その証拠に楼門の向かいにある御神水『神の泉』からは

こんこんと神水が変わらず湧いていた。


〜阿蘇神社・神の泉〜


水を汲んで頂くとまるで涙と同じ味がしているように感じた。

神社が崩壊しても龍神のエネルギーは全く変わっていない。




そして壊れた灯籠の脇の道から、境内へ入れるようになっていて、

中心まで行けないけれど、ロープが張られた前に仮拝殿が設置されていた。


『また訪れます・・』


と手を合わせて高千穂に向かう。


不思議と高千穂へはスムーズに行く事が出来、

予定通りの時刻に高千穂峡へ到着した。


今回の高千穂はどの神社を参拝するのか決めないで

つれづれなるままに動く事にしていた。



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